「いや、いい天気だ」
黒田官兵衛は満面の笑みをたたえ、大きく伸びをした。片足義足の官兵衛には冬の寒さはことさら堪える。
ようやっとやってきた温風に誘われるようにして、主人の豊臣秀吉と小道を散歩している。
秀吉は足下に芽吹いた小さな花を眺めながら、満更でもなさそうに微笑していた。
官兵衛が訪ねる。
「殿は花がお好きですか」
「詳しくはないがな」
「俺は藤の花が好きなんです」
聞いてもいないのに、官兵衛は言う。
「そういえば官の家紋も藤だ」
「ええ、まあ、それもありますが」
官兵衛はニコニコ笑いながら、
「可憐な容姿に紫色の衣装をまとい、薫るまでの美しさを以って殿の目を縛って離さないさま。誰かに似てませんか」
そう黒く笑った。
秀吉は一瞬立ちすくみ、そしてこの男を掴んで投げたい衝撃にかられたが、懸命に自らを律し、実に苦々しく笑うだけでこの話題は終わりとした。
2008/11/19
英雄外伝のEDで半兵衛の背景の花が藤なのは官半好きの私に優しかったです
半兵衛に恋焦がれつつ秀半の仲を応援しつつ時々おちょくってくるような怖い者知らず
そんな官兵衛が今きてます。
あと、官のデザイン掲載してみたいです。
片足が義足でいつも手にしている杖は実は仕込刀(もちろん中身は「圧切」)
首からはロザリオをさげてて……そんなイメージ